大相撲 平成28年春場所九日目[中編]


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東 方

西 方

入幕を狙う者同士の対戦でしたが、やはり幕内上位を経験し、横綱大関に勝ったこともある遠藤の実力のほうが上でした。左を差し、腰を落として寄り切りの勝ち。それにしても、遠藤はこれ以上怪我による休場を量産させない様、ケアしてほしいですね(勿論、本人は日々しているでしょうけど)。相変わらず白い物を一切身に付けない美学を貫いているのは、立派だとも言えますが、危なそうなら自分の身体を守ってほしいです。 そしてこちら、最初にこの姿を見た時は思わず「え!」と言いました。私が角界の萩原聖人と呼んでいる、千代の国です。何とも痛々しくも見える、左肩をグルグル巻きに固定している包帯(というより、ほとんどギプスに見えましたね)。千代の国は四股名が示すとおり九重部屋の力士ですが、師匠も幕下時代、左肩を脱臼し、この画像とそっくりの状態で土俵を務めていたことがありました。「あの時充分に治療をしていなかったのが、脱臼癖につながった」と、のちに千代の富士は述懐していますが、しかし千代の国も、ここまで左肩を痛めていながら、よく土俵を務めていました。拡大版はこちら


包帯グルグル巻きは師匠とソックリとして、このポーズ、どこかで見たような・・・・・。そう、琴奨菊の必勝ルーティーン(?)、琴バウアーです。向きこそ逆ですが(琴奨菊は土俵に向き直ってから)、もしかしてプチパクリかぁ?!とか、一瞬ツッコミを入れたくなりました(笑)。元幕内。怪我に泣かされ、実に三段目まで陥落しましたが、出場場所としては3年振りの幕内を目指しています。もし琴奨菊戦でこのポーズをしたならば、必ずや『千代バウアー』とツイートする人が出てくるでしょう。拡大版はこちら 勝負は左肩の怪我をものともせず、千代の国が快勝しました。相手は青狼です。この翌場所、千代の国は12勝3敗で4年振り2度目の十両優勝を果たしました。昨年のこの大阪では、元幕内としての幕下優勝。これまで通算4度の各段優勝は立派です。今年の名古屋ではいよいよ再入幕となります。


十両最後の一番は、大砂嵐(右側)と千代翔馬の対戦です。千代翔馬は十両2場所目でモンゴル出身。荒鷲と間違えそうになります(笑)。 最後の塩を手に取り、グワンと肩を回していからせる大砂嵐。この力士はやはり、幕内にいないとしっくり来ません。


十両では段違いの実力で、中日ストレート勝ち越しを果たしていた大砂嵐。まだ関取2場所目の新鋭を相手に、当然、問題なく勝つものだと思っていました。ところが押し出されて敗れる大番狂わせ。大砂嵐、全勝優勝の夢は潰えてしまいました(私自身が凄く期待していた)。結局、この後また勝ち進んで、千秋楽に2敗目を喫するも、十両優勝をして、翌場所は前頭7枚目という高位置での入幕となりました。 東方幕内土俵入りです。再入幕のベテラン里山と、まだ大銀杏が結えない新鋭御嶽海との11歳差並び。里山は、34歳9ヶ月での入幕を果たしていました。御嶽海の画面左隣は千代鳳です。拡大版はこちら


土俵入りのラスト、お決まりのショットです。本来は両腕を曲げて、手の肘から下を万歳するのが形だと思いますが、手を斜め前に真っ直ぐ伸ばしている力士もいます。御嶽海は小さく万歳で、かつて私が見慣れたポーズですね。 西方幕内土俵入りです。右から、松鳳山、蒼国来、勢、安美錦です。御当所でこの場所は大変好調だった勢と、地元豊中に宿舎を構えて久しい、荒汐部屋の蒼国来と。拡大版はこちら


西方の土俵入りラストですが、左端が私のミスで少し切れてしまっています。どうもすみません。しんがりの稀勢の里の右側、やや反っくり返るような感じで両手を大きく万歳しているのは、超ラッキーな新入幕、明瀬山です。初日から連勝スタートするも、その後、連敗のトンネルでした。 横綱鶴竜の土俵入りが終了しました。車いす席からは、東方はご覧のアングルにて。露払い正代、太刀持ち勢です。


横綱日馬富士土俵入りが終了しました。露払い安美錦、太刀持ちは宝富士です。 西方の横綱白鵬の土俵入りは、柏手を打つ姿のみ正面から撮れます(但し行司は後ろ向き)。露払い魁聖、太刀持ちは旭秀鵬。長年の僚友、旭天鵬が引退した後は、同部屋の旭秀鵬が後継となりました。


暫しトイレ介護で席を外した後、最初に収めた中入り後の一番は、贔屓の里山です。名物の、膝をグンと前に曲げて四股を踏むポーズ。両手もいざ顔の上まで上げるので、真正面から見ると『ガラスに張り付け』というか、独特のポーズに見えます。あの、悲運の逸技能賞のことを忘れているファンは、恐らくいません。何としてでも、一度は幕内で勝ち越し、そして三賞に輝いてほしい『いぶし銀』力士です。拡大版はこちら  サーッと引き相撲で勝負を決めました(決まり手は突き落とし)。さすがベテラン。両手を大きく広げ、「そりゃ!セーフだぞ」というポーズ。土俵上腹這いの千代大龍は悔しそう。


土俵上、大翔丸が塩を取ります。丸々とした身体、新入幕で中日まで4勝4敗の五分でした。控えには左に正代、右に玉鷲が座っています。 巨漢の貴ノ岩を押し倒して圧勝。これでまた白星先行となりました。この場所、大翔丸は千秋楽に嬉しい勝ち越し。そして入幕2場所目の夏場所は、最後連敗で終わったものの9番勝ち、着実に地力を付けてきています。


土俵上、自分の足元に押し倒して勝ったのは、ベテラン玉鷲です。相手は、一時は上位で健闘していた豪風。 この一番は、なかなか興味深い取組でした。ひょうひょうとしながらも地力を付けてきた正代と、新入幕以来の再ブレークが期待される逸ノ城。幕内2場所目の正代が、一時の大関候補逸ノ城にぶつかります。


勝負はやはり番付通りでした。逸ノ城が元関脇の力を見せ付けて正代を圧倒。完全に顎が上がった正代は、土俵を割って苦笑いのてい。この翌場所、両者は東西の前頭2枚目に並びましたが、対戦はありませんでした。 蒼国来が土俵上です。3日目の観戦の時は、ちょうどインフルエンザで休場していたので、この場所初めて生で姿を見れました。3度目の入幕から4場所。ついに自己最高位の前頭4枚目と、上位に進出してきました。前頭二桁が最高位で終わってしまいかも知れない、と思っていた時期のことを考えると、本当によく努力したものだと思います。今年五月場所現在で、幕内在位16場所で二桁・三賞・金星・銀星・三役はいずれも無しですが、今後、いずれかの記録は絶対に達成してほしいです。


取組です。相手は英乃海。蒼国来が左から抱えて、相手の右を殺しています。拡大版はこちら 最後は左で相手の右腕を押さえ、廻しは掴めませんでしたが押し出しました。かねてより小力が強いと評判の蒼国来。本領発揮の一番かな?と感じました。


栃ノ心(左)−隠岐の海戦です。負けが込んでいた両者。栃ノ心は6連敗中でした。 鬼に金棒の左上手をガッチリ引いた栃ノ心。これで連敗脱出が見えてきた!


相手を引き付け、力強く寄り倒した栃ノ心。怪力相撲の本領発揮。この翌場所には大勝ちして新関脇を濃厚にする栃ノ心でしたが、この場所はこれが2勝目でした。ところで、栃ノ心の締め込みが、師匠が現役時代に実際に締めていた現物であることが、テレビでも紹介されていましたが、その栃乃和歌が初めてこの廻しを締めたのは、平成2年夏場所です。 こちらは目下絶好調だった琴勇輝です。3日目の観戦では目の前で涙の初金星を挙げ、1勝3敗から4連勝中でした。向かうところ迷いなし。充実の春場所でした。


対戦相手は、こちらも初場所までは充実の上位勝ち越しが続き、三役連続三場所目となっていた嘉風。東関脇の地位に座り、6場所連続勝ち越しが期待されたこの場所は、残念ながら星は上がっていませんでしたが、顔付きといい雰囲気といい、新三役を決めた1年前とは明らかに違う、実力者のベテランの風格が漂っていました。拡大版はこちら 押しても引いても勝負が決まる琴勇輝が、この日は叩き込んで勝ち。結局4日目から11連勝で12勝3敗と、予想もしなかった快進撃を見せた琴勇輝。しかも上位総当たり初挑戦で、1横綱2大関を倒しました。殊勲賞受賞は当然として、絶対に敢闘賞とダブル受賞とすべきだったです。本人の心の内は分かりようがありませんが、私個人は三賞1つだけという選考結果に、今でも納得しておりません。




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