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東 方

西 方


さあ、大歓声に包まれて、高見盛が登場しました。もう『激緊張』
モードに入っているのが分かります。一方、対戦相手はこちらも
人気者の把瑠都。注目株です。高見盛と対照的に、落ち着いて
一礼をしていますが、よく見ると、微妙に笑いをこらえている様にも、
見えなくはありません。拡大版はこちら

そして、館内を毎度爆笑の渦に誘うのが、永谷園の懸賞5連覇。
今後も高見盛が幕内にいる限り、見られるのでしょうか?



この日の向正面の解説は、元関脇・麒麟児の北陣親方でした。
現役時代も僅かながら記憶に残っている、この北陣親方。もう引退
して丸20年となるのですが、いまだに正面の解説に登場した記憶が
ありません。別に引退後の年数は関係ないのかも知れませんが、
それにしても不知火親方ともども、ベテランで、しかも解説の上手い
親方が、何故ずっと向正面だけなのか、不思議な気もしています。

把瑠都ー高見盛、制限時間前の最後の睨み合い。やはり把瑠都は、
どこか笑いをこらえている表情に見えます。高見盛のパフォーマンス
を楽しんでいるような・・・・・。それだけ、余裕がある証でもあるので
しょうが、やはり対戦相手にとっても、この高見盛の一連の動作は、
『名物』になっているのでしょうか?拡大版はこちら



最後の気合い入れの時間がやって参りました!高見盛はもう
無我夢中。一方の把瑠都は泰然と構え、横目で高見盛を
見つめる余裕。何やらこれが勝負の伏線になる様な気が・・・・・。

観客は大爆笑。本人は大緊張。そして行司さんは大静寂で、
土俵下の錦戸親方は冷静に“観察”。それぞれの表情の
コントラストが、非常に面白いです。やはり楽しめますね。



仕切りの時から、やけに余裕そうに高見盛を『鑑賞』している感じが
した把瑠都が、やはり勝負でも勝ちました。高見盛、この日はご覧の
様にショボーン≠ネ背中。それを見て観客はまたも大爆笑。3日目
の時とはあまりにもギャップがあり過ぎます(笑)。それでもこの場所
は、二桁の好成績を挙げたのだから、地力は十分に証明されました。

こちらは、強面で獰猛とした雰囲気の豪栄道です。御当所力士
というのは周知の通りですが、この日は館内が特に盛り上がった
のです。それは何故かと言いますと・・・・・。



ハイ、こちらチビッコたちが、熱烈な声援を送っていたのですね。
『ゴーエイドー!ゴーエイドー!』元気一杯のコールに、館内から
手拍子も沸き起こりました。観客が一つになった感じでしたね。

子どもたちからの声援は、恐らく聞こえていた事でしょう。豪栄道、
必勝を期して仕切りを続けていたと思います。この画像はちょうど、
塩が豪栄道の真ん前に重なった瞬間にシャッターを押した様で、
顔も一部が塩粒で隠れています。



いよいよ取り組みです。相手は元大関の出島でした。立ち合い
から豪栄道が押してイナして攻勢でした。しかし出島に浅く
差され、押し相撲同士が組み合う体勢に。そして・・・・・。

両者足を掛け合ってもつれ、同時に土俵に転がりました。
軍配は出島に挙がり、先ほどのチビッコたちは「あ〜!」と
溜め息をつきましたが、次の瞬間、またも歓声に変わりました。



そうです。物言いがついたのです。土俵上で審判が競技します。
少し長い協議だったように記憶していますが、この間もチビッコ
たちは、固唾を呑んで成り行きを見守っていました。そして・・・・・。

再戦しました。出島が出足で圧倒するかに思えましたが、豪栄道は
決死の覚悟で回り込み、徳俵に足を詰まらせながら残します。館内、
まずは悲鳴、次に歓声が。激しく一喜一憂します。拡大版はこちら



豪栄道、辛くも叩き込みの勝ち。最後は執念が勝りました。
そして間違いなく、チビッコたちの声援が背中を押したのでしょう。
また物言いか?と思う様な際どい勝ち方で、出島が倒れるのを
見届けた次の瞬間は、もう豪栄道の足も外に出ています。
運気が豪栄道に集中していたとしか思えない勝ちでしたね。

豪栄道の薄氷を踏むような勝利に、館内興奮した後、勝負審判が
交代。前半の審判は、最後の最後で物言いになった事になります。
そして後半戦最初の一番は、北勝力ー黒海戦です。これは両者
立ち合いの瞬間ですが、私はどうも北勝力の立ち合いが今一好きに
なれません。というのも、なんか中腰に近い、前屈の様な屈み方を
して、土俵にきちんと手を付くか付かないかの、チョン付きで立つ
立ち方。そしていつも、仕切り線より前に手を付いている様に見える
のです。もっときっちり仕切り線の手前で、腰を十分に割って、手を
しっかり付いて立つという立ち合いを、心がけて欲しいものです。



北勝力、相撲のほうは、黒海と四つの体勢に。黒海は右が入り、
北勝力は左からおっつけようとします。顔がよく見えていますね。

この場所はここまで調子の好かった北勝力ですが、結局黒海に
寄り切られて、この日は黒星でした。



期待の若手の中でも代表格になってきた、稀勢の里が土俵上です。
小結までは順調に上がってきた稀勢の里ですが、どうも三役では
今一歩、壁を突破出来ません。この翌場所で、小結在位が7場所に
なりましたが、これはなかなか関脇に上がれない事の裏付けでもあり、
番付運の悪さも窺えます。最終的に大関以上に上がってくれれば、
現時点で小結が何場所続こうと、問題にはならないのですが・・・・。
それよりも、早く三役で大勝ちして欲しいです。

この日は関脇で中日勝ち越し&二桁の実績も持つ、実力者安美錦
を圧倒。しゃにむに寄り立てて、安美錦の両足が浮いています。



勝負が付きました。これで稀勢の里は6勝4敗。今度こそ、
小結で9番はいくかと思ったものでしたが・・・・・。

鶴竜と関脇・琴奨菊との対戦です。琴奨菊は、新三役を果たす前、
一度ものすごい番付不運がありました。東前頭2枚目で10勝して
翌場所筆頭止まり。しかも前の場所、小結を4人としていただけに、
周囲の同情さえ買ったほどでしたが、ひとたび三役を射止めると、
ひとっ飛びに関脇に昇進してそのまま関脇常連。所属する佐渡ヶ嶽
部屋には、関脇在位22場所の琴光喜、21場所の琴錦・長谷川と、
およそ関脇在位記録最上位の力士が名を連ねており、『関脇運』は
抜群に強そうな感じがします。でも、目指すはやはり、大関・・・・。



立ち合いから琴奨菊の速攻。力の差を見せ付けました。十八番の
ガブリ寄りが出る以前に、押しの圧力で完勝しました。

さあ、大関同士の対戦を迎えました。魁皇ー千代大海戦です。成績
こそ満足いくものではありませんが、頑張る古豪二人に館内大歓声
です。両者合わせて、大関在位101場所。かつて長寿大関の最先鋒
といえば、貴ノ花と北天佑でしたが、この2は在位期間が重なった事
は無く、根本的に対戦もしていません。そのため、この2人の『同時
在位合計記録』というのは、史上類を見ないものとなっている訳です。
それにしても、この2人の対戦を生で再び観れたのは、幸せでした。



四股を踏む両大関。この2人は誰よりも、互いと対戦出来る事を感謝
しているかも知れません。最早どちらも優勝する事はないでしょうが、
こうなったら一日も長く雄姿を見たいです。拡大版はこちら

立ち合い、当たりました。千代大海が猛然と突っ張り、魁皇は上体が
上がって受けるような格好。かつては、魁皇が対戦15連勝という時期
がありました。その時は、千代大海は二度と魁皇に勝てないのでは?
と思ったりもしたほどでしたが、その後は寧ろ、千代大海のほうが
優勢の対戦成績が残っています。拡大版はこちら



この場所も、千代大海が押し切って完勝しました。千代大海は
7勝目となって、カド番脱出に王手です。前回の対戦では、魁皇が
不戦勝となっていて、実戦では5場所ぶりの対戦でした。

さあ、大関・琴光喜が登場です。絶不調だった佐渡の大関コンビ。
琴欧洲は休場し、その日から琴光喜は急に連勝を始めて、果ては
対朝青龍戦の連敗までストップさせた分けなのですが、この日は前日
に漸く4日ぶり3勝目を挙げての10日目。そのため、まだ勝ち越せると
予想した人は、私も含めてあまりいなかっただろうと思います。しかも
相手は難敵安馬。不安なムードでしたが、見事に勝ちました。



いよいよ横綱の登場です。10日目は偶数日で西が結びとなるので、
まずは東の白鵬から。土俵上の堂々たる歩み。そして挑戦者は、
19歳の若武者、若ノ鵬です。横顔には初々しさが漂います。そう
言えば、白鵬も横綱初挑戦は19歳でしたが、今思えば何かその
頃から、悠々泰然としていたような感じでした。

仕切りの両者ですが、白鵬はなにか変わった体勢になっています。
腰を大きく後ろに下げ、両手を遠くへ伸ばすように、仕切り線上に
付いています。横綱の見せるポーズとしても、珍しいですね。



この1枚、私自身がこの日撮影した画像の中で、一番気に入っている
ものです。勝負がついた後、横綱がグッと若ノ鵬を睨み付け、厳しい
表情を見せています。横顔ですが、体全体から気迫が伝わってきまし
たね。若ノ鵬は善戦しました。しかし横綱の貫録勝ち。その次の瞬間
です。「まだ早いんじゃ!」と言わんばかりの表情で、一方の若ノ鵬は、
完敗に「恐れ入りました」とばかりの表情。やや苦笑いに近い顔にも
見えますね。表情にも優劣クッキリです。拡大版はこちら

さあ、結びの一番を迎えました。この両者はもう、何十回も対戦を
重ねている者同士、旭天鵬ー朝青龍です。ただ、私にとっては、
朝青龍が西から上がってくるというのが、3日目にも見ていますが、
改めて正面から見ると、何とも違和感を感じるというか。かつて
武蔵丸が現役だった頃みたいで、懐かしくさえ思います。



結びの一番、時間一杯。廻しをたたいて気合いを入れる横綱。
この時の音が鈍いと、負ける率が高くなるようですね。この日は右の
画像でも示すとおり完勝したので、音も好かったのだと思います。

朝青龍が、きれいに下手投げで転がして、全勝を守りました。旭天鵬
に対しては、こういう体勢で勝つ事が多いような気がします。朝青龍は、
過去、初日から10連勝して優勝を逃した事が無いため、この時点で
私は、朝青龍の優勝を信じたものでした。ちょうど、勝負が決まった
その瞬間を撮る事が出来ました。拡大版はこちら



こちらはちょっと番外編なのですが、府立体育会館の、裏の駐車場
出口のとこです。ここから、力士を乗せた車が引き上げていくため、
ひいきの力士を見送ろうと、沿道にはご覧のように、ファンのギャラリー
が出来ます。サービス精神旺盛な力士は、この時に車の窓やルーフを
開けて、手を振ってくれます。朝青龍はVサインをして見せたことも
ありました。覚えているのは、昨年のこの場所、ちょうどこの画像の
画面右奥、タクシーが停まっている辺を、大関・栃東が記者団に囲ま
れながらやってきたのです。そして車に乗り込み、走り去る際も窓越し
に手を振っていました。そう、引退直前、最後の勝ち越しにして、カド
番脱出を果たした時です。また、引退翌場所で、まだ太っていた貴乃花
親方の姿も見た事があります。懐かしい思い出ですね。


この1枚、3人の力士が出てきたところですが、前後の2人は付き人
です。そして中央の、黄色っぽい浴衣を着ている力士は・・・・・。私は
白鵬に大変よく似ていると思ったのですが、違っていたでしょうか?
暗くなっていたし、実際は大分離れた位置だったので、よく確認出来
ませんでした。浴衣の色や柄が、いかにも白鵬の物に見えました。

 以上、大相撲平成20年春場所、10日目の観戦でした。
 この日の席は、横綱土俵入りを真正面から撮れるいい席でしたので、両横綱の撮影を楽しみにしていたのですが、実際撮ってみて、せり上がりのところはやはり難しいです。何回やっても、なかなか上達出来るものではなくて、元より年に何回も撮影のチャンスがないので、これからも、毎回『ぶっつけ本番』みたいな気持ちで、それでも撮るからにはいい画像を目指したいと思います。
 取り組みの中で一番印象に残ったのは、やはり豪栄道の一番ですね。あの、子どもたちの可愛い大声援は見事でした。私にはもちろん子どもはいませんけど、子どもから背中を押されたら、本来以上の力が出て頑張れるという気持ちは、よく解るような気がします。これからも、ああいう場面に出くわしたいですね。
 公開が、夏場所が始まって以降になりました。毎回、遅れることをお詫び申し上げます。


大相撲研究の部屋へ春場所10日目前編へ