平成18年大相撲春場所 千秋楽[中編]


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東 方

西 方


画面中央下ほどをご覧下さい。千秋楽の向正面の解説は、おなじみの
舞の海秀平さん(元小結)でした。しかし本当に、報道陣出身の解説者
と言っても遜色がないほど、解説業がハマってきましたね。

満員御礼の垂れ幕が下がった館内です。この春場所、満員御礼は実に
9回もあったとの事で、大相撲人気の復活を大いに裏付けていたのでは
ないかと思います。一ファンとしても嬉しい限りですが、その一方で、
巡業の勧誘状況はサッパリだとか。本場所の人気が盛り返しを見せて
いる今、巡業のほうも、再び盛況の時代を再来させて欲しいものです。



こちらも人気力士。『東IT筆頭ブログ部屋』の普天王です。蹲踞した
時の姿は、実に絵になるきれいな力士です。錦絵のモデルには
ピッタリかも・・・・・。丸々とした、いかにも古風派受けするお相撲
さんらしい力士です。拡大版画像はこちらから

今度は立ち上がった時の普天王です。因みに対戦相手は新小結
だった露鵬です。露鵬は4勝11敗と惨敗しましたが、思えば普天王
も、新小結の場所は5勝10敗の大負けでした。



今や角界の一大勢力となったモンゴル勢。その中でも、特に日本人
受けして人気がうなぎ上りな力士は、この安馬かも知れません。土俵に
上がり、最初の四股を踏む安馬。角度的に撮影出来ませんでしたが、
この場所の安馬は、額に大きな切り傷を負って土俵を務めていました。
しかしそれもひとえに、勝負への純真さの表れ。『小よく大を制す』を
目一杯体現してくれるこの小兵力士は、これからもますます人気が
高まる事でしょう。

この一番、7勝7敗だった安馬は、技能賞が懸かっていました。
相手は実力者琴光喜でしたが、見事に土俵外まで追いやって勝ち越し。
館内からヤンヤの喝采を受けていました。琴光喜は無念そうな表情。
それにしても、最近琴光喜が、かつての琴錦の二の舞を演じる様に
なってきてるように見受けられます。即ち、前半はめっぽう勝ち込んでも、
終盤大きく崩れ、最初は優勝争いに加わるかという勢いも、終わって
みれば8勝7敗。関脇をギリギリ守っているという成績です。一度、
秋場所で平幕優勝を経験しているという点まで琴錦と同じです。相撲は
押し相撲ではなく、従ってツラ相撲はないと思うのですが、スタミナが
切れやすくなったか、はたまた意外とムラッ気があるのか、二桁常連が
8勝関脇に甘んじているのは寂しい限りです。拡大版画像はこちらから



さあ、いよいよ千秋楽の土俵も大詰めとなってきました。是より三役
です。先ずは東方三役揃い踏み。巡業では何回かお目にかかったこの
三役揃い踏みも、本場所となるとこれが初めてでした。独特の空気。
一段と格調高さを感じる、楽日独特の舞台でした。見ていて高揚感が
沸いたし、『豪華さ』を感じました。役者が揃う瞬間ですからね。
協会御挨拶の時とはまた違ったムードを味わえたものでした。そして
この3人。扇の要に横綱。その前に白鵬、千代大海と続きます。
朝青龍と白鵬。まさにこの場所の主役でした。『優勝決定』の4文字が、
いよいよ目前に迫ってきた時。にわかに緊張感が高まってきました。
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檜の響きとともに、東西三役が入れ替わります。そしてその瞬間、
声援のボルテージが物凄いこと上がったのです。そう、魁皇です。
大関・魁皇、33歳8ヶ月、大関在位34場所は、カド番で7勝7敗でした。
この一番に敗れれば、大関陥落。今後の進退についての発言は二転
三転したものの、いざ陥落となると、流石に引退の可能性も否定出来
ないものがあったと思います。もしそうなれば、これが引退への花道と
なる三役揃い踏み。楽日の盛り上がりを最後に引退するという事に
なります。ふつう、ここまで出場する力士というのは、翌場所は現役と
いうのが前提となっているもの。しかし、その常識を、ある意味打ち破る
存在で登場していたのが、この日の魁皇でした。カメラは魁皇だけに
ピントが合っております。



西方三役揃い踏みです。華やかな演出。引退など関係ないという
力士の特権とも言える、千秋楽の揃い踏み参加だったのですが、
前の魁皇と、後方の千代大海、琴欧州とでは、置かれていた境遇が
あまりにも違っていました。何事も無いかのように、淡々と、ただいつも
通りの手順で揃い踏みをこなす魁皇。しかしその胸中に去来していた
ものは・・・・・。このあと、いよいよ優勝王手の白鵬と対戦します。
館内の声援は、最早悲鳴に近いものがありました。「かいおー!
かいおー!」それだけ。拡大版画像はこちらから

魁皇にとって、運命を決める大一番、いよいよ仕切りに入ります。
一方の白鵬にとっても、勝てば優勝を大きく引き寄せる事になります。
悲願の初優勝に向けて、静かに闘志を燃やしている表情の白鵬です。
一方、魁皇の顔は見えませんが、間で裁く行事・式守与太夫。行司と
言えども、やはり人間。この一番を前に、果たして何か思うことはあった
のか。何かグッと思いを噛み殺している表情に見えなくもありませんが、
のちのち、この一番をどう振り返る事になるのでしょう?
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いざ対戦!の前に蹲踞する魁皇と白鵬。魁皇コールに混じって、
白鵬への声援も聞こえました。果たして白鵬が勝って、ドラマチックに
新旧交代を告げるのか?それとも魁皇が勝って踏ん張り続け、
次の場所、大関同士として土俵に並び立つのか?大きな意味が、
この一番には込められていました。白鵬は後ろ姿ですので顔は
見えませんが、恐らく悠然と、落ち着いて仕切っていた事と思います。
一方魁皇は、「もう腹は括った」と思っている様に見えましたね。

この一番、立ち合いから「勝負あり」まで、私はカメラを構える事を忘れて
勝負を見入っていました。当たる瞬間は、こちらも緊張がピークに達して
いましたが、「アッ!」と思ったのは魁皇が右の上手を取った瞬間です。
何と言っても右の上手を取れば百人力の魁皇。まだまだ老け込む相撲
にはなりません。そしてお客さんもよく分かっています。魁皇の右手が、
バッと上手をつかんだ瞬間でした。それまでにも増して大歓声が沸き
起こったのです。私もこの瞬間、勝利への望みをかなり強く持ちました。
そして・・・・・、一気に走った魁皇、自らも土俵下まで飛び出す格好で
見事寄り切りの勝ち。耳をつんざく様な大歓声のもとで、万感の思いで
勝ち名乗り。私も興奮して目頭が熱くなっていたので、写真もブレました
が、魁皇、この表情。紅潮する体。険しさを物語る表情。ここまで追い
込まれた状況での勝ち名乗りを、いまだかつて経験した事が
あったでしょうか?魁皇この表情です。



館内興奮冷め止まぬ中、結び前、大関同士の対戦を迎えました。
東に千代大海、西に琴欧州です。新旧大関対決、千代大海も今場所
カド番でした。しかし11日目に3連勝でカド番脱出。一足早く、安心
していました。翌場所には在位44場所となり、仮にそこで負け越しても、
次の場所はカド番で大関なので、在位45場所の記録が、事実上確実
になってきたと言えます。あの、昨年亡くなった名大関・貴ノ花に次ぐ、
歴代単独2位の在位数。何のかんの言っても、これも立派な記録になる
のではないでしょうか?そして土俵下では、つい先ほどカド番を脱出した
魁皇が、ようやく安堵の表情を浮かべて勝ち残りの控えに座っています。
これがもし負けていたら、最後を覚悟した表情になっていたかも
知れません。いや、本当によく勝ち越したものです。

蹲踞する両大関ですが、新進気鋭の琴欧州は、右ひざが一層悪く
なっていたのでしょうか?まともに蹲踞が出来ていません。見るからに
かばっているという格好です。思えば琴欧州もこの場所はケガで苦しみ、
怒涛の寄りの相撲なども見せてここまで9番勝ってきたのでした。
いい経験になったと思います。拡大版画像はこちらから



呼び出しが蹲踞して、厳かに檜を鳴らす中、横綱・朝青龍と大関・栃東が
登場。いよいよ春場所の結びの一番がやってきました。ここに盛り上がり
は最高潮に達します。力士本人たちにとっては長い長い場所の最後の
相撲。改めて、『千秋楽』を感じました。そしてこの時点では、
「横綱の優勝は間違いないだろう」と思っていました。

懸賞の垂れ幕です。思えば私は、何度も本場所を観戦していながら、
懸賞の列を撮影したことが一度もありませんでした。まして千秋楽
結びの一番で、まだ優勝も決まっていないとあれば・・・・・。この一番、
実に40本以上の懸賞がかかりまして、館内からもどよめきの声が
起きていました。拡大版画像はこちらから



この一枚、西方の栃東の上が少し切れてしまいました。そして朝青龍の
ほうも、思いっ切り左が切れています。失敗作なのですが、敢えて載せた
のは、栃東の背中を見ているだけでも、闘志と獰猛さ≠ェ伝わってくる
のではないかと思ったからです。まさに背中から気≠ェ出ています。

こちらは正面を向いている栃東。何かこの日の大関は、いつにも
増して『ふてぶてしい』顔つきに見えました。つまりはそれほど、体調も
充実しており、集中力が冴えているということでしょう。横綱のほうが、
やや大人しめの表情にさえ見えました。拡大版画像はこちらから



よもやの事態が起こりました。横綱が、立ち合いから全く『らしくない』
相撲を取り、館内から驚愕の声が沸き起こる中、栃東があれよあれよ
と横綱の後ろに付くと、そのまま送り出してしまいました。横綱、まさか
の敗戦、対栃東戦2連敗、そして決定戦開戦が決定しました。館内
座布団が舞います。私が生で見た相撲の中で、横綱が負けたのは
これが初めての事となりました。お客さんもビックリした人が大半だった
とは思いますが、それにしても横綱、不意に私は、横綱土俵入りの時
の、朝青龍の表情が蘇ってきました。確かに何となく気迫不足な点は
感じていたのですが、果たして・・・・・。拡大版画像はこちらから

館内がワオンワオン響く中、10分間の休憩が与えられ、その後、
いよいよこれから決定戦です。西の花道より、白鵬が姿を現しました。
そして東の花道からも、同時に横綱がやってきていました。土俵は
更に一段特別の一戦に向けて、きれいに掃き清められました。
白房下では、呼び出しが檜を打つ姿が、非常に小さくではありますが
写っています。私にとって、生で見る初めての決定戦が、今始まろうと
いうところ。それにしても、初の千秋楽観戦でいきなり決定戦とは、
私もツイているなと思いました。



声が非常によく通る呼び出し(秀男?)が、決定戦を戦う両雄を呼び
上げます。朝青龍−白鵬。モンゴル同士による優勝決定戦。いずれ
この2人が決定戦を演じる事になろうとは、以前から予想はしていま
したが、昨年九州時点での予想よりは遥かに早く、その時がやって
きました。いずれは横綱同士で同じ光景が見られるのでしょう。
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土俵上、蹲踞する両力士ですが、観客席に比重を置いて写したのは、
実は向かって右方向の客席から、盛んにモンゴルと日本の両方の
国旗が振られていたからです。なかなか上手く撮れず、この画像でも
見にくいですが、モンゴル対決だから当地の国旗が振られるのはよく
分かるにしても、日本の国旗も一緒に振られているというのが、
面白いなと思いました。外国勢対決でも日本の国技。相撲文化の
国際化を垣間見た瞬間でした、と言うと、ちょっと大げさでしょうか?



さあいよいよ立ち合い、当たりました。両者互角の当たり、横綱は
決して圧倒的な攻めは出来ません。白鵬も後ろに下がらない。横綱は
右から起こそうとしているのでしょうか?白鵬は左の上手を狙って
いますが、横綱はもちろん、容易には取らせません。

ガップリ四つに組んでいます。決定戦でまさにガップリ四つ。絵に描いた
ような、きれいな四つ相撲に見えます。白鵬は左は下手になりました。
横綱は右の上手を狙いますが、まだ届きません。



白鵬、左は上手に変わりました。一方の横綱は右の下手。顔が白鵬。
後頭部が朝青龍。白鵬は「よぉ〜っし」という表情。イケると感じた
瞬間です。一方の横綱は、さあどんな表情か?力が入ります。横綱も
相手の攻めを許しません。依然ガップリ四つ。上手と下手では、投げの
打ち合いになると上手が有利になる事が多い。さあ下手の横綱は
どう攻めるか?白鵬は投げるのか?出るのか?いずれにしても横綱も
強靭な足腰。残します。何と言っても、本割でボテンッと飛ばされた
という苦い記憶があります。もう投げられて宙に浮く事はありません。
熱戦、館内沸いております。拡大版画像はこちらから

白鵬が、「もうええわっ!いざ寄り立てん。」とばかりに前に出た、
そのタイミングでした。相手が出てくるのを待っていたかのように横綱、
右から投げた、投げた、もう一度投げた。白鵬の左は切れた。横綱
投げ伏せたーっ!と、横綱の勝ち。横綱優勝。朝青龍優勝。朝青龍、
これで決定戦は3戦3勝。白鵬は初優勝ならず。最後は横綱の読みと
タイミングにやられました。しかし横綱も土俵下に転落。それほど力が
入りました。そして苦戦しました。この後、思わず両手を土俵に付けて
体を凭れさせ、「フアーッ!!」と険しい表情で一息。すぐに土俵に上が
れなかった横綱の姿。圧勝とは程遠い、息切れ力勝(りきしょう)
という勝ち方。力が入ったのは、観客としてはこの上なく満足でした。
が、横綱相撲のファンとしては・・・・・、ちょっと横綱は余裕が無さ過ぎ
でした。『一方的』という言葉を、一度も使えない相撲内容。そして
勝ちっぷり。やはり豪快・速攻・圧勝こそが横綱の相撲。紙一重に
近いような勝ち方は、やはり『らしく』ありません。来場所は取り口の
復活を期待します。拡大版画像はこちらから



こちら、両膝を押さえて、更に一呼吸付いている朝青龍。土俵に上がっ
てもなお疲れが取れず、しんどそうな姿勢をする横綱を、あまり見た
記憶がありませんでした。やはりこの横綱は、『仁王立ち』こそがよく
似合う。相手に善戦させない、「フン!」という様な相撲が一番の魅力
です。それにしても相手の白鵬です。「う〜!くやしいィ!」という
ような表情。「勝ってもおかしくない」と本人も感じていたのでしょう。
廻しを下に押し戻しながら、無念の表情。しかしもう文句の付けよう
がない大関昇進です。白鵬。拡大版画像はこちらから

左の写真でもご覧になれますが、館内改めて座布団が乱舞して
います。横綱が勝った事より、横綱を苦戦させた事への座布団
でしょうか?まさに興奮のるつぼ。ヒートピーク≠ノ達しています。
府立体育会館。横綱、万感の勝ち名乗り。敗者の白鵬はしかし、
悠然と去っていきます。



ようやく優勝争いにも決着がつき、土俵は表彰の舞台となるため、
静けさを取り戻しました。そして天皇賜杯が。元幕内の若者頭、
栃乃藤が賜杯を運んできました。重さ29kgの天皇賜杯も、現役時代、
超巨漢力士だった栃乃藤が持つと軽く見えますね。先ほどの緊迫した
空気から一転、めでたやめでたやお祭り表情になってきました。
こちらに拡大版があります。

さく然と輝く天皇賜杯です。表彰のためにセッティングされた天皇賜杯を
見るのも、もちろん初めてなわけです。「ワオー!すごいなぁ。」と、圧倒
されるものを感じました。これもまた、目に焼き付けておきたい光景です。
ところで、賜杯の真後ろに座っている高崎審判(元前頭2・小城ノ花)、
何やら賜杯を見つめてニヤ〜っと笑みを浮かべているように見えません
か?もしかして、高崎審判はこの場所から審判になった親方。初めて
この状況で間近に賜杯を見て、「いいなぁ・・・・」と見とれていた(?)
のでしょうか。拡大版画像はこちらから


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