武双山、3場所連続優勝力士に勝つ
魁皇の10年来のライバルとして、幕内在位も魁皇と同数、そして大関在位も魁皇と一場所違い、昇進場所も二場所違いという武双山。
この武双山も、対優勝力士戦白星ということでは、3場所連続勝ったという、ちょっと意外な(?)記録を持っている。
魁皇と違い、同部屋に優勝常連の横綱(武蔵丸)がいた事もあって、優勝者に勝つ機会というのはかつては少なかったが、密かに持っていたこの記録を振り返ってみよう。
| 場所 | 優勝力士 | 番付 | 成績 | 当場所 武双山成績 |
備考 |
| 平成13年夏場所 | 貴乃花 | 横綱 | 13勝2敗 | 9勝6敗 | 貴乃花、通算22回目の優勝だが、武双山に敗れた一番で右ひざに重度の怪我を負い、 決定戦で武蔵丸を制した時は鬼の形相を見せた。表彰式では小泉首相が「感動した!!」と叫ぶ。 この後貴乃花は7場所連続全休。治療に集中したが、優勝はこれが最後となった。 |
| 平成13年名古屋場所 | 魁皇 | 大関 | 13勝2敗 | 10勝5敗 | 魁皇は初のカド番で、14日目に優勝が決定。武双山とは千秋楽に対戦した。 |
| 平成13年秋場所 | 琴光喜 | 前頭2 | 13勝2敗 | 10勝5敗 | 琴光喜は入幕実質6場所目にして平幕で初優勝。 武双山は琴光喜にはこの場所まで2勝3敗と分が悪かったが、相手が優勝したというこの場所には完勝、対戦成績を五分に戻した。 しかしその後はまた分が悪くなり、結局、通算7勝10敗であった。 |
以上、武双山の持つ隠れた記録をピックアップしてみた。3場所連続の翌場所である平成13年の九州場所では、同部屋の横綱・武蔵丸が優勝している。
ところで武双山は、この3場所以外にも何度か優勝者に勝っている。ここで改めて、その記録を振り返ってみる。
| 場所 | 優勝力士 | 番付 | 成績 | 当場所 武双山成績 |
備考 |
| 平成7年初場所 | 貴乃花 | 横綱 | 13勝2敗 | 4勝2敗9休 | 貴乃花は新横綱。武双山は初日に対戦して、横綱初本土表の貴乃花を破る。しかし5日目の貴闘力戦で左肩を脱臼し、途中休場。 |
| 平成7年夏場所 | 貴乃花 | 横綱 | 14勝1敗 | 11勝4敗 | 武双山公傷明け。13日目に貴乃花と対戦して破る。貴乃花はこの1敗だけで優勝。 横綱になって2度目の優勝だが、いずれも武双山には敗れての優勝となる。 |
| 平成7年九州場所 | 若乃花 | 大関 | 12勝3敗 | 7勝8敗 | 若乃花戦6連勝。千秋楽に対戦。この後の一番で貴乃花が、7連勝中だった武蔵丸にあっけなく敗れて3敗となり、 若貴兄弟による優勝決定戦が実現した。武双山は平成7年、6場所中3場所を優勝者に勝った。 |
| 平成9年夏場所 | 曙 | 横綱 | 13勝2敗 | 6勝9敗 | 曙は13場所ぶり9回目の優勝。千秋楽、本割り・決定戦と貴乃花に連勝して逆転優勝を果たした。 この場所以降、武双山が曙に勝ったのは、大関昇進を決めた平成12年春場所のみである。 |
上記の3場所連続と合わせて、武双山は計7回優勝力士に勝っている。同部屋に横綱がおり、また、一時は武蔵川部屋が6連覇を果たした(その6場所目の優勝者が武双山自身)という時代もあった事を考えると、なかなか多く勝っているほうだと思えてくる。
武双山は大関に昇進する以前は、11勝以上の常連で、関脇で12勝・13勝した事も何度かある。しかし大関昇進以降は、11勝以上を挙げたのは平成13年春場所の12勝3敗の一場所のみで、他は全て10勝5敗以下の成績で終わっている。日頃新聞などに掲載されるコメントからは、並々ならぬ地位の自覚と責任感が伝わってきていたが、成績そのものは、気持ちに追い付いていないのが常であった。大関昇進後に優勝が無かったのも、現大関の中では武双山のみであり、もう一度、花を咲かす日が来ることを期待していたのだが、平成16年九州場所3日目限りで引退してしまった。残念である。