魁皇、対横綱戦白星一覧
魁皇といえば、歴代最多の対優勝力士戦白星の記録を持つ殊勲記録男であるが、優勝力士に多く勝つだけあって、横綱戦の白星というのもなかなかの数がある。
平成12年名古屋場所で大関昇進を決めたが、その時点で対横綱戦は22勝しており、これは関脇以下の力士としては、安芸乃島と並んで史上最多であった。
つまり魁皇は、大関昇進直前に、関脇以下としての横綱戦白星の記録を、まるで“置き土産”のように達成していたことになる。
大関昇進後、横綱が減ったこともあって対横綱戦そのものが少なくなったが、それでもコツコツと白星を増やし、現在通算34勝となっている。
大関以下の力士における、歴代横綱戦最多白星保持者は朝潮(現高砂親方)の40勝であるが、それに次ぐ第二位が、もしかしたら魁皇ではないかと思っている。
真偽のほどは定かではないが、ここで魁皇の横綱戦34勝の軌跡を振り返ってみることにしよう。
| 白星 | 対戦横綱 | 場所 | 魁皇番付 | 備考 |
| 1勝目 | 曙 | 平成6年春場所中日 | 前頭1 | 横綱初挑戦で初金星、翌場所新三役 |
| 2勝目 | 貴乃花 | 平成7年初場所中日 | 関脇 | 貴乃花新横綱、魁皇新関脇 |
| 3勝目 | 貴乃花 | 平成8年初場所14日目 | 関脇 | 貴乃花、14勝1敗 |
| 4勝目 | 曙 | 平成8年夏場所3日目 | 関脇 | 曙戦、連敗8でストップ |
| 5勝目 | 貴乃花 | 平成8年名古屋場所13日目 | 関脇 | 初めて2場所連続横綱に勝つ |
| 6勝目 | 貴乃花 | 平成9年春場所7日目 | 前頭1 | 15場所ぶりの平幕で2個目の金星 |
| 7勝目 | 曙 | 同9日目 | 前頭1 | 初のW金星、自己新の12勝で優勝同点 |
| 8勝目 | 貴乃花 | 平成10年初場所初日 | 小結 | 新年最初の一番で横綱戦に勝つ |
| 9勝目 | 曙 | 平成10年春場所初日 | 小結 | 2場所連続初日横綱に勝つ |
| 10勝目 | 貴乃花 | 同2日目 | 小結 | 連日の横綱戦勝利 |
| 11勝目 | 貴乃花 | 平成10年秋場所3日目 | 前頭1 | 5場所ぶりの平幕で3つ目の金星 |
| 12勝目 | 貴乃花 | 平成10年九州場所2日目 | 前頭1 | 初めて2場所連続貴乃花に勝つ |
| 13勝目 | 若乃花 | 同3日目 | 前頭1 | 連日の金星 |
| 14勝目 | 曙 | 平成11年夏場所中日 | 関脇 | 中日から8連勝して12勝3敗 |
| 15勝目 | 武蔵丸 | 平成11年名古屋場所9日目 | 関脇 | 武蔵丸新横綱、3勝7敗から5連勝 |
| 16勝目 | 曙 | 平成11年秋場所3日目 | 関脇 | 曙戦にはこの後6連敗 |
| 17勝目 | 若乃花 | 同12日目 | 関脇 | 若乃花戦はこれが最後 |
| 18勝目 | 貴乃花 | 平成11年九州場所9日目 | 関脇 | この場所、2勝4敗から9連勝 |
| 19勝目 | 貴乃花 | 平成12年春場所中日 | 小結 | 中日から6勝2敗で千秋楽勝ち越し |
| 20勝目 | 貴乃花 | 平成12年夏場所6日目 | 小結 | 6日目から10連勝して14勝1敗、初優勝 |
| 21勝目 | 貴乃花 | 平成12年名古屋場所7日目 | 関脇 | 貴乃花戦最後の白星、通算12勝目 |
| 22勝目 | 武蔵丸 | 同14日目 | 関脇 | 1年ぶりの、武蔵丸戦勝利 |
| 23勝目 | 武蔵丸 | 平成12年九州場所14日目 | 大関 | 大関昇進後、初の横綱戦勝利 |
| 24勝目 | 武蔵丸 | 平成13年名古屋場所14日目 | 大関 | 魁皇この一番で3度目の優勝決定 |
| 25勝目 | 武蔵丸 | 平成13年九州場所千秋楽 | 大関 | 初めて千秋楽に横綱に勝つ |
| 26勝目 | 武蔵丸 | 平成14年夏場所千秋楽 | 大関 | 再び千秋楽横綱戦勝利 |
| 27勝目 | 武蔵丸 | 平成14年秋場所13日目 | 大関 | 横綱戦、6勝連続武蔵丸戦 |
| 28勝目 | 朝青龍 | 平成15年春場所14日目 | 大関 | 朝青龍新横綱 |
| 29勝目 | 朝青龍 | 平成15年夏場所14日目 | 大関 | 朝青龍戦連勝 |
| 30勝目 | 朝青龍 | 平成15年九州場所13日目 | 大関 | 対横綱朝青龍戦3勝1敗 |
| 31勝目 | 朝青龍 | 平成16年秋場所千秋楽 | 大関 | 5場所ぶりに朝青龍に勝つ |
| 32勝目 | 朝青龍 | 平成16年九州場所千秋楽 | 大関 | 対横綱朝青龍戦、2度目の連勝 |
| 33勝目 | 朝青龍 | 平成19年夏場所13日目 | 大関 | 2年半ぶりに勝ち、対戦連敗を8で止める |
| 34勝目 | 朝青龍 | 平成20年夏場所13日目 | 大関 | 夏場所、2年連続、同じ13日目に勝つ |
以上、“横綱戦三十四次”を振り返ってみた。各横綱別に見ると、曙に6勝、貴乃花に12勝、若乃花に2勝、武蔵丸に7勝、そして朝青龍にも7勝している。対戦した6横綱のうち、白鵬を除く5横綱から、ほぼまんべんなく白星を奪っており、この実力ぶりには驚くばかりである。また金星は6つだが、番付がすべて前頭筆頭というのも面白い偶然である。
そしてもう一つの隠れた記録は、曙以外の4横綱とは、相手が新横綱の場所に対戦しているのであるが、若乃花と白鵬以外の3人にはいずれも勝っており、3人の新横綱に勝つというのも、なかなか出来そうで出来ない記録だと思う。曙が新横綱の時は魁皇はまだ十両だったが、その曙には初顔でいきなり勝っている。また、若乃花についても、横綱昇進を決めた場所には勝っているから、何というか、それぞれの横綱に対して、節目節目の時期には必ず勝っているような印象である。
唯一、白鵬戦は合口が悪いが、大関昇進を決め、優勝同点だった場所の白鵬には勝っている。また、新横綱の白鵬との一番では、敗れはしたが、誤審ではないか?とも言われる際どい一番だった事も、記憶に留めておきたい。
なお、この記録は、『大関(つまり横綱からみて下位)魁皇の、対横綱戦白星』と題打って掲載させていただきたいと思う。従って、もし魁皇が横綱に昇進した場合は、その時点でこの記録はストップする事になるのだが、恐らくそれは望めないであろう。